工業英検2級-その1
今週、工業英検2級の合格通知がきました!!
なぜ受けたの?
筆者は某メーカーに勤務しているのですが、新卒で入社した頃から、よく論文や技術系の文書の翻訳を頼まれることありました(日→英、英→日ともに)。
理系(バイオ系)出身ではあるものの、英語ができるからという理由だけで良く分からない内容の文書の翻訳をお願いされることが多く、自信がないけれどもとりあえずこなす、というスタンスで臨んでいました。
留学仲間に聞いても、英語ができる人が少ない日系企業だと往々にしてこのような無茶振りがあるようですね・・・責任取れないですよね、正直。
英語ができない人たちの中では、英語ができる=翻訳が(ひどい時には通訳まで!)できる と思われている節があるみたいですが、専門的な文章にはそれなりの訳し方があって、はっきり言って別の能力ですし、誰でもできるなら翻訳・通訳はプロの仕事として成り立たないですよね。
このような環境の中、この調子で仕事をしていいのかなという疑問と、自分の実力がどの程度かを把握する指標になればと思ったことにより、この度工業英検を受験することにしました。
ネットでは、1級は相当ハードルが高いという書き込みが散見されたため、とりあえず2級から受けてみることにしました。
なお、1級を取得すると技術文書の翻訳家として一定のレベルがあると見なされるようです。
工業英検とは?
正式名称は「工業英語検定」であり、「工業英語」の実力を証明する試験となります。
工業英語とは一体どのような言葉なのでしょうか。この日本語にあたる英語は“Technical Writing(in English)”または”Technical Communication(in English)”となります。テクニカル・ライティングには、米国でもさまざまな定義がありますが、最近では下記が最も受け入れられているようです。
Technical Writing may be defined as the presentation in written form of technical and scientific information with clarity and precision on a level suitable to the intended audience.
(テクニカル・ライティングとは、科学技術を対象とする読者に合ったレベルで正確に、分かり易く伝えることである。)-Pearsall, Technical Writing: Methods for College Teachers
つまり、「難解な単語や修飾の多い文体を使わず、また、書く側が自己満足に陥らずに、読み手に対して分かりやすく書く英語」と言うことができます。
実用英語技能検定(英検)とともに文部科学省後援の試験となります。
すなわち、胸を張って履歴書の資格欄に記入できるものです。
知名度はイマイチですが、知る人ぞ知る・・・といった感じでしょうか。
2級のレベルって?
受験対象レベル:実務経験者を標準とし、工業英語全般の知識を有している。
出典:工業英語検定協会 2017受験案内
とされています。
準2級が大学生・院生などを想定していることから、それ以上のレベルであるということが分かるかと思います。実務者向けです。
合格基準は6割(200点満点で120点)以上、ということなのであまりハードルは高くないと思います。
工業英検は参考書などもほとんどなく、公式の情報が少ないことから、色々な情報が錯綜していますが、ネットの情報を過信してはいけないと思います。
実際に、コンビニのマルチプリント機から過去問を購入することができるのですが、過去問を解いてみると、ネットでの評判とは大きく異なっていました。
実際のレベル感は?
ネットでは「とにかく時間が足りない」と書かれているのを良く見ましたが、過去問を解いて見たところ、試験時間100分に対して60分程度で解き終わるかな、という感触でした(ネットに嘘の情報が流れているのでしょうか、それとも単に普段から翻訳しなれてるおかげでしょうか・・・)。
また試験当日は辞書2冊が持ち込み可のため、分からない専門用語は余った時間で調べれば良く、知らない単語を一生懸命暗記する必要もありませんでした。
実際には、機械系は専門外で用語はチンプンカンプンなので、
分からない用語は飛ばして大まかな文章を書く→余った時間で辞書で調べまくって穴を埋める
という戦略をとりました。
結果として、本番でも40分以上しっかり見直しをすることができました。
感触として受かる自信があったので、終了後はルンルン気分で都内某所の花火大会に直行しました。
次回は試験のポイントと勉強法についてまとめたいと思います。